【投稿】機械ミク曲を投稿しました【#Null#】

 早いもので2018年も、もう2月ですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか、ワカバです。新年度前ということで当プロダクション(従業員1名)も繁忙期に入っていましたが、2月2日に無事、ニコニコとYouTubeに動画を投稿することができました。昨年秋のM3で頒布したCDに収録した曲に手を加えたものですね。9月末投稿予定?年内には必ず??はて、何のことだか分かりませんな……(すみませんでした)。ニコニコでは4曲目、ようつべ(死語)では2曲目、今回も楽曲解説していきます。もしかしたら皆さんが聞いて抱いた感想とは異なったものもあるかもしれないので、読む際はお気をつけて。






↑ニコニコとYouTubeでタイトルとサムネ変えてみてます。皆さんはどちらがお好きですか?


 僕が初音ミクの曲を作る際には、「初音ミクが歌うこと」に意味を持たせるために彼女に付与されやすい属性を考え、それをもとに作っています(2回目)。今回とりあげた初音ミクの一側面はタイトルにもあるとおり、「機械」です。その中でも、「人間にそっくりだけれど人間ではない、人間になれない機械の切なさ」を主軸において制作しました。曲は、「機械の少女が、芽生えてしまった自我と「初音ミク」としての役割との間で生じた葛藤を、夜の花畑で人知れず歌う」というものになっています。電脳的じゃなくてデザインも丸かったり流線形だったりしない、少し古いSFアニメ感。心も感情もないけれど、作中のマスター……そして僕たちを喜ばせるために、まるで心があるかのように、そしてマスターが望む「初音ミク」という概念であるかのように彼女は振る舞い、歌います。

 「機械」としてのキャラクターは初音ミク黎明期に「アイドル」と同じくらい取り上げられたメジャーな属性ですね。「タイムリミット」、「初音ミクの消失(SHORTもLONGも)」、鏡音リンの曲ですが「ココロ」……。実際にソフトウェアという機械であるため、初音ミクと機械は決して切り離せない関係にあるでしょう。機械に関して初音ミクに付与されるキャラクターは大きく分けて、物質として存在して直接触れ合うことのできる「ヒューマノイド」と、パソコンやインターネットの中に存在し直接は触れ合えない「電子の歌姫」の二つがありますが、「初音ミク型ロボットは初音ミクなのか」という題材も盛り込みたかったため、前者を選択しました。それはさておきタイムリミットはいいぞ。


 今回の動画も、前作「恋は煌めく炎のように」、M3で頒布したCDジャケットに引き続き、3十さんに描いていただきました。「泣きそうなくらい悲しそうな表情だけど設定上涙は流せないので涙は描かないでください」「一面の花畑と星空で、青と光が美しい感じで」「ヒロインは機械なんですけどマスターがヒロインを女の子扱いするので服装は普通で」と結構に面倒なオーダーをしたのですが、とても素晴らしいイラストを描いてくださいました。また、落ちサビ(動画4分あたり)にも幸せそうなミクとマスターの一枚絵を描いていただきました。本当にありがとうございました。おそろいの緑のブローチしてるんですよ……いい……。メインの一枚絵の方はラスサビの「ああ、歌いたい」であの演出をしたいがためにあの構図で描いていただいたので、あそこ自分でも大好きです。さとさんのイラストは表情が素敵でホント好き。

 さとさんのpixivへのリンクも貼っておきますね。画質の良いさとさんのミクさんをみんな見よう。




 音源に関して。この曲はOmnisphere2をメインに、ドラムはGroove Agent SE、リードシンセなど一部シンセはMassive、そしてライザー?やフォール?(よく分かってない)(しゅううう↑こぉーーーーん……みたいなヤツ)はCubase9付属のオーディオ素材を用いて制作しました。プラグインはCubase付属のものに加えてWaves Goldに入っていたもの(主にS1 Stereo Imager)、そしてWaves Centerを使いました。


 また、2Bの雨の音、時計の音はニコニコモンズからお借りしました。ありがとうございました。

小森平 様:http://commons.nicovideo.jp/material/nc45695
5時(521) 様:http://commons.nicovideo.jp/material/nc102353



 以下は、この楽曲で個人的に気に入っているポイントです。


【音のお気に入りポイント】

・ほとんどのメロディが歌詞の高低アクセントに沿っており、言葉の切れ目とメロディの切れ目の一致率がとても高く作られている。そういう宗派に属している。

・ミクの歌い方。感情が乗っているかのように歌わせようと、しゃくりやフォールといった音程変化をたくさんつけたり、微妙にリズムをずらしたりしています。だんだんたくさんのパラメーター弄れるようになってくるの楽しいですね。歌唱指導:ワカバ。

・全体を通して出てくるダッキング。楽しい!!!
 ↑サイドチェインとコンプ使って作ってます。専用のプラグインがあるらしいので、次やるときは導入を検討したい。

・イントロのシンセソロ。ヴォーカリオンらしい良いフレーズが出来ました(当社比)。

・2Aの高速歌唱。機械テーマでこれをやらないわけにはいかなかった。歌詞の高低アクセントに合わせて多少音程を上下させているので、早いけど聞き取りやすかったり……しませんかね……?どうやら好評なようでとても嬉しいです。

・2B、Cメロが歌詞に合う音と展開を選んでいる。特にCメロ後半から入ってくる少しミスマッチな8bit風の音が、逆に機械的で物悲しくて好き。

・間奏のソロがユニゾン→ハモリ→カノン→ハモリ→ユニゾンとなっており、変化に富んでいる。カノンではイントロのフレーズが出てくる。好き。


【歌詞のお気に入りポイント】

「君の未来に輝き添えるように」
・頭サビとサビの最後に出てくるキーフレーズ。初音ミクは人の未来をより良くしようとする存在であり、そのために従順に誠実に僕たちに尽くしてくれている、という僕個人の考えがよく表れている一文。

「人に近づこうとするこの身がたとえ機械だとしても、君の中で希望になれると信じてる」
・時々「機械の歌の何が良いの」という話を耳にしますし、実際初音ミクは機械であり、どんなに感情的に歌っているように感じても心も感情も持ち合わせておらず、プログラムされたとおりに波形を書き出しているだけなのですが、歌や音楽って演奏者だけでなく聞き手もとても大切で、つまり受け取った僕たちが感動した=希望を得たならば、歌い手が機械であろうと関係ない、受け取った何かを本物だと感じるならばそれでいいじゃないか、ということです。また、ヒロインにとっては、自分は本当はマスターの望む「初音ミク」ではないけれど、マスターが私を「初音ミク」と感じて日々を幸せに過ごせるのならそれでいい、という気持ちも込められていると思います。

……ちなみにこの一文、M3のCD締め切り当日の朝に急遽変更し、歌詞カードを書き直し、ミクに歌い直してもらった経緯があります。元々は「その向こうに伝わる何か信じてる」でした。何かってなんだよ。どの向こうだよ。変えて良かった。でも歌いやすかったんだよなぁ……。


 お気に入りポイントと言ってますが、だいたい全部お気に入りです。逆に気に入ってない箇所は直しきれなかった部分なので、そこは次回に活かそうと思います。実は今回、個人的には結構反省点多いので、また頑張ります……。


 今回の動画はだいぶ気合を入れて作った甲斐あってかたくさんの人にマイリスしていただけて、マイリス数自己ベストもすぐに更新でき、とても嬉しく思っています。ミク誕じゃないのに聞いてもらえるかなと不安だったので……。また頑張って作りますので、応援してくださると嬉しいです。早く殿堂入りしてカラオケ配信されるくらいの曲作れるようになりたーい!!!!!!!!!

 何か質問や要望などございましたら、気軽にコメントしてください。実はこのブログ始めてから一度もコメントもらったことないんですよ……いや記事の更新速度が遅いとかコメントされるような仕掛けを用意してないこちらにも問題はあるんですけどね。

 それでは、今回はここまで。読んでくださり、ありがとうございました。

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