【投稿】ミク誕2017に曲を投稿しました【恋は煌めく炎のように】

 先日、8月31日は初音ミク10周年でしたね。ニコニコ動画、Twitter、そしてマジカルミライと、各所でとんでもなく盛り上がってました。まさにお祭りといった感じで、これだけ多くの方が初音ミクを愛しているのだと思うとじーんとくるものがありますね。

 さて、当プロダクション(従業員1名)もこの良き日を祝うべく、動画を投稿しました。それがこちらの「恋は煌めく炎のように」です。この記事では、「こいきら」を作るにあたってどんなことを考えたかや、個人的にこの動画のどこが好きかを語ります。

 僕が初音ミクの曲を作る際には、「初音ミクが歌うこと」に意味を持たせるために彼女に付与されやすい属性を考え、それをもとに作っています。今回取り上げた初音ミクの一側面は「16歳の少女」です。16歳の少女に関する言葉で真っ先にあがるのは「青春」や「恋愛」かと思いますが、初音ミクが誰かを思うラブソングは超有名な「メルト」をはじめ、数多くあります。それらと差別化しつつ16歳というミクの一側面をメインに持ってくるにはどうしたら良いかを考えた結果、はやく大人になりたい、大人として見てほしいという子どもっぽい可愛さと、たしかに女性として成長している大人っぽい艶やかさを合わせた、ミク誕動画の中では変化球なジャズテイストの一曲に仕上がりました。


 また、今回のイラストは3十さんにお願いしました。どんな動画にするかの打ち合わせを繰り返した結果、僕の想像以上を優に超えた、曲にばっちりマッチした素敵なイラストを描いていただけました。加えて、打ち合わせを通してこの曲における自分の中の初音ミク像がだんだんとはっきりし、それを調教やアレンジに活かすことができたのでいいこと尽くしでした。勇気を出して依頼して本当に良かった……。どのイラストも本当にかわいいのですが、最後の一枚絵で、「イヤホン・肩の01といった機械的な記号を隠しているところ」「マスターの影がミクに落ちているところ」が特にイチ押しです。短めでくねくねしたツインテもかわいい……。ちなみに、イントロ部分のポスターにも小ネタが仕込んであるので、ぜひ見てみてくださいね。


 音源に関して。この曲はAddictive drums 2、Trilian、Ivory Ⅱ Grand Pianos、Omnisphere 2、Session Horns Proを使って作りました。なかなかの課金装備。Session Horns Proが大変重くて制作中に何度も何度もCubaseが落ちてしまい、本当に大変でした……。Kontakt 5のブラス音源より音は格段にいいんですけどね。こまめなセーブが大切です、本当に。

 イントロ部分の映写機の音は、ニコニ・コモンズより 櫻ノ宮 萬 さんの作品をお借りしました。おかげさまでイントロ部分がいい感じです、ありがとうございました。

https://commons.nicovideo.jp/material/nc63527



 以下は、この曲で個人的に気に入ってるポイントです。基本的に自分の曲が好きなので結構長くなってしまった……。


【この曲のお気に入りポイント】
・ほとんどのメロディが歌詞の高低アクセントに沿って作られている。そういう宗派に属している。
・1サビ前のベースのブーン。少しBPM落としてます。
・2B後半の盛り上がりからの2サビ頭の4分休符。たぶん演奏したら楽しい。
・ラスサビ後半で和音がシンプルになるところ。9thやら13thやらテンション重ねて大人ぶってたけど、最後の最後でつい本音が出てしまいました。
・「君の唇」。ドキッとして時が止まるイメージ。


【歌詞のお気に入りポイント】

「君に振り向いてほしいのはエゴだと知ってる これで君に断られたら素直に身を引くわ」
・「私恋愛分かってますよ、公私混同しませんよ」アピール。こんなこと言ってるけど一回二回振られたくらいじゃ諦めなさそう。

「ありのままで愛されたいと思うほど 私、求めてばかりの ソフトウェア《こども》じゃないわ」
・作られたまま、求められるままでは、ソフトウェア。初音ミクには、歌の中だけでも自我を持っていてほしい。ソフトウェアに「こども」とルビを振る無理やりさに関しては、学会でも意見が分かれている。

 お気に入りポイントと言ってますが、だいたい全部お気に入りです。逆に気に入ってない箇所は直しきれなかった部分なので、そこは次回に活かそうと思います。



 自分の大好きな初音ミクを世の中に増やすことができて、とても嬉しいです。まだ増やします。これからもよろしくお願いします。

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